予防について(溶接プロフェッショナル対象)
溶接技術者向けフィットネスマニュアル
溶接技術者向けフィットネスマニュアル
研究・実践をベースにしたヒント
ABICOR BINZELは実践的な視点から有意義な情報・提案などを直接提供してくれる理由から、ユーザーとの対話にかねてより大きな価値を置いてきました。それらは業界にとって新しい試み・プロジェクトを開始する上で非常に有益となるもので、ギーセン大学のスポーツ医学部と【溶接プロフェッショナル向けフィットネスマニュアル】の共同制作をするまでに至りました。
長期的な観点で過度な身体的苦痛や筋違えを回避するための予防策、または業務に取り入れられる運動・動きを発展させていくのが目的でもあります。3年以上に渡る関節の研究の中で、2つの高度な研究が行われました。溶接時に起こる溶接技術者の筋肉への緊張・負荷と、フィットネストレーニングの効果を反映させた全く同じ部位の反応を、筋電図(EMG=Electromyogram)を使用して計測しました。(Welder’s World No. 3と4を参照。) つまり、フィットネスマニュアルに記載されている情報および推奨内容は、溶接技術者の日常業務に特化して行われ、その研究結果に基付いて製作されているのです。
ギーセン大学のスポーツ医学部は一連の科学的な検証の準備、実行ならびに検証結果を基とした推奨内容の導出を行いました。このプロジェクトはプロフェッサー・医学博士(Dr. med.) フランク・C. ムーレンと理学博士(Dr. rer. nat.) カーステン・クルーガー両名の監督のもと、TransMIT society for technology transferの予防・動作・パフォーマンス医薬部門との共同で実行されました。トレーニングDVD付属のフィットネスマニュアルの発案をした、業界のパートナーであるABICOR BINZELと共に研究を実行し、理論と実学とのギャップを埋めていきたいという考えも背景にあります。
ご興味のある方はDVD付属のマ
ニュアルのご注文はお早めに!
DVD付きフィットネスマニュアルは通常価格 € 19.80 + VAT(Value Added Tax=付加価値税)でお求めいただけます。ご注文はこちらのE-Mailまで: fmfw@binzel-abicor.com
溶接プロフェッショナル向けフィットネスマニュアル付属 トレーニングDVD
各自で取り組めるエクササイズ
溶接技術者は肩、首、背中・腰、腱、関節に問題を抱えやすいです。定期的なトレーニングで体全体の筋肉を鍛えることで、それが体そのものを支える役割も果たしてくれます。 例: 大部分の緊張は腹筋と背中・腰まわりの筋肉を鍛える事で解消可能です。ただし、片方だけ極端に鍛えても効果がなく、いずれの部位の筋肉も正しい比率で鍛える必要があります。そのため、腹筋運動と併行して背中・腰回りの運動も行うように構成してあります。
頭上溶接の場合、肩に強い負荷をかけてしまいがちです。偏って負荷がかかり続けると筋肉の緊張の原因となるため、肩は緊張を緩めつつ筋肉を鍛える、シンプルなエクササイズでトレーニングしていきます。
また、腕や肩の筋肉が伸びすぎるリスクも存在しますので、ストレッチのトレーニングも行いましょう。このDVDでは簡単かつ時間のかからないトレーニング方法についてご紹介しています。お昼休憩中にも出来てしまいますよ!
腕立て伏せは肩と大胸筋を鍛える有名なエクササイズですが、このDVDでは”ズルをしない”効果的な腕立て伏せの方法をご紹介します。
トレーニングは予防だけでなく筋肉を柔らかくする効果もあり、背中・腰や腕、肩の筋肉の緊張への対策としても有効です。溶接においての筋肉の緊張は、負荷のかかる限られた姿勢での作業を余儀なくされる事から起こります。適切な可動化エクササイズは現場における筋肉の緊張をやわらげる補助となるでしょう。
人間工学(エルゴノミクス)とは?
溶接技術者にとってどう役に立つのか?
Wikipediaによると: “人間工学(にんげんこうがく)は、人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計し、実際のデザインに活かす学問である。また、人々が正しく効率的に動けるように周囲の人的・物的環境を整えて、事故・ミスを可能な限り少なくするための研究を含む。ヨーロッパでは、労働医学を発端に、労働時の健康・安全・快適さに主眼が置かれた研究が始まった。これが、「エルゴノミクス(Ergonomics)」と呼ばれる学問となっている。なお、Ergonomicsはギリシャ語のergon(働く)とnomos((自然の)法則)から作られた造語である。“ (2015年7月現在)
溶接技術のリーディングカンパニーとして、ABICOR BINZELは溶接が人体に及ぼす影響について常に着目しています。それが、人間工学を考慮した製品を世代から世代へより発展させていくための唯一の方法であるからでもあります。 また、ABICOR BINZELは溶接の技術者の皆様へ健康維持のためのヒントを提供するべく、溶接プロフェッショナル対象の新版フィットネスマニュアルをご用意しました。
溶接における人間工学面での問題はどんなものがあるのか?
健康/フィットネスに制限をかける要素は何か?
溶接熟練者が業務において面する身体的負担は大きく、日々対応が求められています。各自、自由時間に運動・エクササイズで負荷を分散させるなどの方法を取っているものの、残念なことに、従業員が勤務不可能になる事で生じる労働日数減の数値は依然として非常に高い状態です。主な原因のひとつに、頭上作業などの特殊な作業状況により、溶接技術者が長時間同じ体勢で強制的に作業を続けなければならないという事が挙げられます。溶接の世界やスポーツドクターからは、片側の肉離れを引き起こす”強制姿勢”として知られています。筋肉が固まることで血管が長時間圧迫され、血流が悪化、筋肉への酸素供給が減り、その結果が痛みや疲労が早まるなどの形で現れるのです。
技術者はどのように予防策を取ればよいのか?
仕事が終わった後や休憩中に運動やエクササイズを行うよう説得するのはなかなか難しいものがあります。しかし、定期的にフィットネストレーニングを行う事で、時に驚くほどの効果をもたらします。溶接プロフェッショナル向けフィットネスマニュアルでは、筋骨格を強化する事の重要性や慢性的な緊張を予防する方法のほか、これらの知識の源泉に関する内容がカバーされています。付属のDVDでは筋骨格のエキスパートであるスポーツマンがトレーニングのデモンストレーションを行い、皆さんのエクササイズ早期実践をサポートします。トレーニングはほとんど器具を必要としない構成になっており、リラクゼーションエクササイズなどは日常業務にも特に取り入れやすい内容になっています。
溶接トーチはより良い健康のためにどのように役立ってくれるのか?
ABICOR BINZELは幾年にも及ぶ研究・実験からトーチ人間工学の発展に関する貴重な知識を得る事が出来ました。科学者からは”ユーザーフレンドリーな改善による、ヒューマンマシーンインターフェイスの改善”であると評されています。ABICOR BINZEL製品のユーザーにとっては、トーチが軽く、ハンドルも人間に合った設計になれば、貴重な溶接技術者の皆さんの健康を保つサポートになるとともに、作業結果の改善にもつながるのです。
仕事の合間と仕事後にも運動を!
筋力低下は不調を招きます。
溶接に限らず、身体的に負荷のかかる動作は身体の緊張を及ぼしますが、身体的な緊張は必ずしも悪いというわけではありません。それがどういった状況下で生じる緊張状態なのかにもよるのです。人間の筋骨格は緊張するようにプログラムされており、(頻度・状態共に)適度な緊張は健康な体を作るための重要な要素でもあります。しかし、運動不足は身体構造を強くするどころか弱めてしまうのです。腕にギブスを装着して、動かせない状態がしばらく続くと筋肉量が大きく減少することも例として挙げられます。筋肉量の低下は30~40代にかけて次第に起こり始めます。今回のトレーニングで、作業段階において緊張状態になる部位の強化と、筋肉量の改善を図ります。特定部位の筋骨格のトレーニングを行うことで抵抗力を高め、作業負荷によるダメージの抑制が可能になるので