ヒューム吸引トーチxFUME® PRO
溶接ヒューム吸引と一体化したパワフルな溶接
現在、溶接作業者の為の健康保護と労働安全は、極めて安定的な品質を持った正確な溶接結果と同じくらい重要です。筋肉の緊張に加えて、有害な溶接ヒュームのリスクは考慮されるべきものとなります。半自動溶接技術者を雇用する全ての企業は、その為のツールを作業者に提供しなければなりませんが、そのツールは手に良く馴染んで筋骨格系に対する負担をできる限り軽減し、かつMIG溶接・MAG溶接中に発生する有害な溶接ヒュームを高い信頼性のもと回収できる機器である必要があります。アビカービンツェル製の空冷式及び水冷式ヒューム吸引トーチは、世間的に良く知られているRAB-GRIP及びRAB-GRIP HE 2に更なる技術的改良を加えた製品となっております。この新世代のトーチは、現代の作業現場における安全衛生の要求に対して、より明確でより高い信頼性のもと対応をしております。
アビカービンツェル製のパワフルなヒューム吸引トーチxFUME® PROのラインナップは、力強くかつ高い溶接電流値にて溶接を行う為に、信頼性の高い溶接トーチが必要とされる過酷な製造現場にて使用する為の、理想的な製品となります。これらのヒューム吸引トーチは、局所的ヒューム吸引及びで可動式溶接ヒューム吸引の為に特別に開発された製品となりますが、人間工学・効率・重量の観点からも新しい基準を有しております。要約すると、この製品はまるで標準的なMIG半自動溶接トーチもしくは標準的なMAG半自動溶接トーチを手にしているかの様な、衛生的な溶接作業を可能とします。
溶接ヒューム吸引に関する規則
2018年、 国際がん研究機関は溶接ヒュームを発がん性物質と分類しました。残念ながら、MIG溶接及びMAG溶接における溶接ヒューム吸引は、この分類について、これまで往々にして除外されてきました。現在は、溶接作業者に衛生的な作業環境を提供することは製造企業にとって1つの責務となっております。職場における安全衛生の重要性は、溶接ヒューム吸引に関する更なる厳格な規則の中で顕著となってきており、新しい意義を獲得しております。このような経緯で、企業は自社の既設の溶接作業環境について再検討・再構築すること強いられております。
集中管理型または据置型の吸引システムは、これまで多くの製造現場にて設置されてきました。これらの製品はいわゆる低真空吸引システムと呼ばれており、製造現場の天井に取り付けられて室内全体の空気を吸引したり、個々の溶接作業場所の上部に取付られて、そこでリスクとなるヒュームを吸引します。このシステムにおいては、高い吸引流量性と低い陰圧性によって吸引フードもしくは吸引口が周辺の空気を吸引する形となりますが、溶接ヒュームをその発生源から直接吸引できるような高真空システムと呼ばれている吸引システムと比較した場合、静的圧力と吸引流量の能力が低いことを意味しています。溶接ヒュームをほぼ全て回収して、その極めて高い効率性を実現する為には、ヒューム発生源からヒュームを吸引することが必要不可欠となります。このシステムは可動式溶接ヒューム吸引装置と併せて使用することによって、室内吸引システムや作業場所換気装置の様な既設の据置型システムをアップグレードすることが可能となります。
ヒューム発生源での溶接ヒューム吸引が必要とされる理由
溶接ヒュームはその発生源から、ヒューム吸引トーチの前面端部を通して直接吸引されたあと、可動式吸引装置にて回収されます。この装置は、有害な粒子を取り除いて清潔な空気を室内に戻します。ヒューム発生源からのヒューム吸引は、溶接ヒュームを回収する上で最も効率的な技術となります。いわゆる高真空システムと呼ばれるこの技術によって、搭載されたフィルターは溶接ヒュームに含まれている0.1μmより大きな塵微粒子の99.5%までを取り除くことができます。
高真空システムは高い陰圧性と低い流量性を併せ持っておりますが、低真空システムと比較した場合、その静的圧力と吸引流量はより高い能力を有しております。ヒューム発生源からヒューム吸引することを考える場合、多量のシールドガスが吸引されてしまうのではないか、と懸念されることが往々にしてあります。しかしながら、適切な可動式ヒューム吸引装置と良質なヒューム吸引トーチとの組み合わせによって、十分なシールドガス性を常時確保することが可能となります。
アビカービンツェル製ヒューム吸引トーチを使用している参考企業の実績レポートをご参照ください。
ヒューム吸引トーチxFUME® PROラインナップの特徴
市場に出回っている大多数のヒューム吸引トーチと比較した場合、ヒューム吸引トーチxFUME® PROラインナップは極めて軽量で使い勝手が良好です。これらのヒューム吸引トーチを手にすると、まるで標準的なMIGトーチもしくは標準的なMAGトーチを手にしている様な感覚を得ることでしょう。通常、溶接ヒューム吸引トーチは、むしろ重たくて使い勝手が悪いものとの認識から、溶接作業者の方々にとってあまりポピュラーなものではなく、全くそのご認識通りであるのが実情です。一方で、アビカービンツェル製ヒューム吸引トーチxFUME® PROラインナップは、使い勝手が極めて良好なだけではなく、全てのトーチについて比較的スリムな前端部を有しており、それによって溶接時の良好な視認性を確保しております。
ヒューム吸引トーチxFUME® PROの概要
- 効率性の高い溶接ヒューム吸引
- 向上した人間工学性と顕著な重量軽量化
- スリムな前端部
- 最適化されたシールドガス性
- 人間工学に基付いた良好な使用感
- トーチネックとケーブルとの絶妙な重量バランス
ところで、xFUME® ADVANCEDやFEC W3、FES-200 W3のようなアビカービンツェル製の可動式ヒューム吸引装置とヒューム吸引トーチxFUME® PROを組み合わせて溶接した場合、意図せずにシールドガスを吸引してしまうというリスクを回避することができます。ヒューム吸引トーチxFUME® PROや溶接ヒューム吸引装置の正しい調整によって、最適化されたシールドガス性を常に確保することが可能となります。
ヒューム吸引トーチxFUME® PROの機能性
アビカービンツェル製ヒューム吸引トーチxFUME® PROは高真空吸引システムの一部であり、高い陰圧性と低い流量性を兼ね備えておりますが、低真空吸引システムと比較した場合、静的圧力と吸引流量の能力はより高いものとなります。製造工程において発生する溶接ヒュームは回収されたあと吸引ホースを経由して可動式吸引装置へと運ばれます。吸引装置に搭載されたフィルターは、塵粒子を回収してそのフィルター中に留め、清潔な空気を室内に戻します。トーチのポジションにも依りますが、ヒューム吸引トーチxFUME® PROのようなヒューム発生源からヒューム吸引できる機構によって、90%から99%までの有害な粒子は吸収されて取り除かれる形となります。しかしながら、ヒュームの発生源からヒュームを吸引することについては、多量のシールドガスを吸引してしまうのではないか、と懸念されることが往々にしてあります。ヒューム吸引率をより正確に調整できるようにするために、ヒューム吸引トーチxFUME® PROは、簡単に操作できるスライダー式の吸引流量調整機構を装備しています。このように適切な可動式ヒューム吸引装置との組み合わせによって、十分なシールドガス性を常時確保することが可能となります。
ヒューム発生源から直接溶接ヒュームを回収することは、溶接ヒュームの吸引において最も効率的な技術となり、溶接作業者の健康を保護する上で最良の手段となります。xFUME® ADVANCEDやFES-200 W3、 FEC W3のようなアビカービンツェル製ヒューム吸引装置とヒューム吸引トーチxFUME® PROを組み合わせることによって、シールドガス性に対する悪影響無く溶接ヒュームを回収することができます。これらの高真空吸引システムは、”チーム”として組み合わせることによって、どんな溶接作業現場においても、その安全衛生面に対して重要な貢献を果たします。
溶接ヒューム吸引に関するブログ
ヒューム吸引技術に関する更なる情報は »ABIBLOG«をご覧ください。
対象製品: xFUME® ADVANCED
xFUME® ADVANCED – アビカービンツェル製ヒューム吸引トーチとの組み合わせに最適
対象製品: xFUME® FLEX
溶接ヒューム吸引に関する更なる動画は、»ABICOR BINZEL YouTube channel«をご覧ください。